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[ Physical Illness ]

* Infectious Diseases *
Other infectious diseases
(Candidiasis)


 水虫の原因となる白癬菌は真菌と呼ばれるカビの一種ですが、この真菌に属する細菌のひとつにカンジダ菌があり、ヒトの口の中や皮膚の中など体中のいたるところに常在しています。

 カンジダ菌は普段は皮膚などにごくわずか潜んでいるのですが、身体の抵抗力が低下したりすると異常に増殖することがあります。

 〔カンジダ症〕は、このカンジダ菌が外陰部や膣内に感染して起こる病気です。外陰部に感染したものは〔外陰カンジダ症〕、カンジダ菌が膣内に侵入して異常増殖して起こるのが〔カンジダ膣炎〕と呼ばれます。

 カンジダ膣炎になると、酒かすやカッテージチーズのようなボロボロしたおりものが増え、膣や外陰部に激しい痛みや痒みをともないます。男性では性器から膿がでたり痛みをともないます。

 カンジダ膣炎の発症原因の一番は性的接触によりカンジダ菌が膣内に侵入して感染・増殖した場合ですが、性的接触以外でも、たとえば妊娠したり、糖尿病にかかったりして身体の抵抗力が低下しても発症します。抗生物質を服用後に発病しやすいともいわれます。


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Overview

[ A disease called Other infectious diseases (Candidiasis) ]

What kind of illness

 カンジダ膣炎は、人間の身体内の各部に常在するカンジダ・アルビカンスという真菌が原因で発症する感染症です。カンジダ菌は水虫などで知られる真菌の一種であり、カビの仲間でもあります。

 カンジダ膣炎は、カンジダ菌が膣内に侵入し異常増殖して炎症を引き起こす病気です。症状としては、膣や外陰部、肛門周辺に強い痒みをもたらし、同時に酒かすやカッテージチーズのようなポロポロした白いおりものが出るのが特徴です。

 カンジダ菌は常在菌の一種であり、人間の皮膚や口の中、膣の中など身体各部に普段から多少存在しているのですが、健康時には異常増殖することはありません。膣内でも、1割ほどのヒトには常在しているとされていますが、健康時には膣自体の自浄作用もあり増殖が抑えられ炎症を起こすことはありません。

 カンジダ膣炎の炎症は、性的接触などで大量のカンジダ菌が膣内に侵入したり、疲労や妊娠、糖尿病などで体力が低下したり、抗生物質を長期間服用した後などに発症しやすいとされます。

 産婦人科領域では、日本女性の70~80%は、一生のうちに少なくとも1回は発症するといわれるほどポピュラーな病気でもあります。


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Symptom

[ Symptom of Other infectious diseases (Candidiasis) ]

Typical symptoms

 カンジダ膣炎の症状は、感染の程度で異なりますが、典型的な症状は陰部の激しい痒みと異常なおりものの増加です。

 炎症が起こると、陰部は非常に激しい痒みに襲われます。炎症が激しくなると、膣部の強い痒みばかりでなく、外陰部は赤くただれ、周囲の皮膚はカサカサとした感じになってきて、ヒリヒリする痛み、しみるような痛みを伴います。

 またその他の症状として、性交痛を感じることや、排尿後の疼痛、灼熱感などが現れることもあります。

 カンジダ膣炎の二つ目の特徴である、異常なおりものの増加ですが、酒かすやカッテージチーズのような、白っぽいポロポロしたおりもの(帯下:たいげ)が大量に出ます。極端なときには、膣の中いっぱいに詰まり、膣口、小陰唇、大陰唇周辺にまで付着することがあるほどです。このおりものは無臭であり特別な悪臭などはありません。

 症状が慢性化すると、おりものの量は減少するものの、外陰部などの痛みは残ります。痒さのあまり、掻き毟ると症状が更に悪化します。


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cause

[ Cause of Other infectious diseases (Candidiasis) ]

Typical Causes

 カンジダ菌は真菌の一種でありカビの仲間ですが、ヒトに感染する主な種類は、カンジダ・アルビカンスという種類のカンジダ菌です。

 本来、カンジダ菌には4つの種類があり、カンジダ膣炎を引き起こすのは「カンジダ・アルビカンス」とよばれる種類の菌です。この菌は健康時にも身体各部、口腔、皮膚、消化管内、女性の膣などに少数ながら存在しています。膣の中には、乳白色の帯下(たいげ)があり、その中にはいわゆる善玉菌が存在して、病的な炎症などを起こさないようバランスが保たれているのです。

 しかし、通常はバランスし沈静化しているものの、体調が悪くなるなどで抵抗力が低下すると、カンジダ菌は身体各部で活性化し増殖して炎症を引き起こします。

 たとえば、30~40%の人の口の中に常在するカンジダ菌は、体力が低下すると一種の口内炎のように、白い苔のようなものを発生させたり、赤く腫れたりします。カンジダ性口内炎と呼ばれています。

 カンジダ菌が膣内部に侵入して、炎症を起こしたものがカンジダ膣炎です。普段は善玉菌の存在でカンジダ菌が大増殖することはないのですが、膣の中でカビ類が繁殖しやすい湿度や温度などの条件が整うと急激に増殖します。それらの条件として下記のようなものが知られています。

カンジダ異常増殖の原因
免疫力低下

 風邪をひいたり、寝不足だったり、ストレスが強かったり、疲れが蓄積したりすると、免疫力が低下し、カンジダ菌が繁殖しやすくなります。

抗生物質使用後

 抗生物質を使用すると、膣内で悪玉菌(カンジダ菌)と戦っている善玉菌まで殺してしまうために、カンジダ菌が繁殖しやすくなることが起こります。抗生物質の服用開始後1~2週間後にカンジダ膣炎の痒みが始まるといわれます。

便秘・下痢

 カンジダ菌は大腸内にも多く寄生しているので、便秘や下痢などの症状があると、肛門から膣への感染が起こりやすいといわれています。トイレでの便や尿の拭き取りや処置を正しく行うことが大切です。

閉経後

 女性は閉経すると、卵胞ホルモンであるエストロゲンが減少するので、膣粘膜から分泌され膣内を浄化している膣分泌物が減少し、膣自浄作用が弱まり、カンジダ菌の増殖を招きやすくなります。

性的接触

 性的接触で男女のどちらかがカンジダ菌を大量に保有していると、もう一方の人に大量のカンジダ菌が移植感染してしまいます。特に男性は、カンジダ症の自覚症状が乏しいので、知らぬ間に女性に感染させてしまうことがあり、注意が必要です。

その他

 保湿性や保温性のある衣類の着用や澱粉質や糖質、酵母類を多く含む食品類を多量摂取すると感染しやすいともいわれていますが、あまり定かではありません。



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Diagnosis

[ Diagnosis of Other infectious diseases (Candidiasis) ]

Typical diagnostic method

 カンジダ膣炎の検査は、綿棒などで膣の粘膜を採取し、顕微鏡でカンジダ菌の存在を確認して行います。カンジダ菌の存在・異常増殖が見えれば、カンジダ膣炎と確定診断されます。

 膣分泌物を採取して同様に顕微鏡観察してカンジダ菌が見つかれば確定診断されます。また、必要なら培養検査を行うこともあります。尿を採取し、遺伝子検査しても診断することができます。

 尚、本来は産婦人科で受診するのがベストですが、カンジダ膣炎に罹っているかどうかを判定する「カンジダ膣炎検査キット」や「性病検査キット」などの商品も市販されていますので、感染機会があり不安な人は試してみるのもよいかも知れません。(このページの最下部でもいくつかご紹介しています。)


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treatment

[ Treatment of Other infectious diseases (Candidiasis) ]

Typical Treatment

 カンジダ膣炎の治療は「薬物療法」により行います。治療方法は、「抗真菌薬」の坐薬を膣内に入れ、同時に同じ抗真菌薬の軟膏を外陰部などにも塗って行います。

 通常、治療を開始すると3~4日程度で症状がなくなります。そして1週間くらいすると治癒しますが、カンジダ菌はまだ膣内外に生き残っている可能性があるので、抗菌薬の使用は2週間は続けます。

 膣内への坐薬の挿入は産婦人科に通院して膣洗浄をして行うことも可能ですが、病院まで行かずに、自分で膣内に膣錠(坐薬)を入れるだけで特別な問題はなく十分治療できます。

カンジダ膣炎の予防

 カンジダ膣炎は正しい薬物療法で完治できますが、中途半端で薬物投与を中止し治療が不完全な場合、容易に再発してしまいます。

 また、性生活のパートナーも同時に治療しておかないとたちまちピンポン感染し再発するのでこの点も確実に行いましょう。

 完治した後は、不規則な生活を避け、十分な体調管理や栄養摂取などに気を配ります。

カンジダ膣炎治療薬

 カンジダ膣炎の治療薬(抗真菌薬)の一例を示しますが、数多くのものがあります。

カンジダ膣炎治療薬
軟膏 アイコザール
アスタット
アデスタン
アトラント
アセント
膣坐薬 アデスタンG
エルシド
エンペシド
オキナゾールV
サラシルト